1.不整脈とは?

心臓は休むことなく、規則正しく収縮・拡張を繰り返しています。そのリズムは電気的な刺激によって起こります。不整脈とは心臓の電気的なトラブルによって起こるものであり、心拍数や心臓の鼓動のリズムが一定でなくなる状態です。
不整脈は、心臓突然死の7割を占め、患者数は46万人と多く、健康な人にもしばしば起きています。

2.不整脈の種類は?

不整脈には脈がゆっくり打つ徐脈、速く打つ頻脈のほか、リズムが不規則になる期外収縮の三種類あります。

ゆっくり打つ=徐脈

1分間40回以下の脈拍。心臓を動かす為の電気の発生場所に異常が発生して電気が作られなくなったり、電気の通り道の途中で電気が通らなくなってしまい、うまく伝わらないために発生します。

速く打つ=頻脈

1分間120回以上の脈拍。運動した時や興奮した時の頻脈は心配ありません。
心臓を動かす為の電気が異常に速く作られたり、電気が通る道が異常に発生して電気が空回りして起きます。

不規則に打つ(飛ぶ、抜ける)=期外収縮

不整脈の中で最も頻度が高いものです。本来電気が発電される正常な場所ではない余計な場所から電気が発電されてしまう為に脈が飛んだり、余分に多く打ったりします。心拍数や心臓の鼓動のリズムが一定でない状態の事であり、それによって心筋梗塞、心筋症、弁膜症などが引き起こされ、突然死の原因となります。

3.原因は?

発生原因は、冠動脈疾患、心臓弁障害、心不全、先天性心疾患等の心臓に起因する疾患が挙げられます。
その他、加齢やストレス、睡眠不足、疲労等でも起こります。自律神経の興奮によっても起こります。

  • 高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満
  • 過労、蓄積疲労
  • ストレス
  • たばこ
  • 酒の飲みすぎ
  • カフェイン
  • 睡眠不足
  • 熱い風呂

心臓は1日に約10万回も動いており、以上のような事が原因で、
時には規則正しくない電気により不規則な動きをしてしまうことがあります。

4.症状は?

不整脈は常に自覚症状が有る訳ではなく、気付かない場合が多くありますが、頻脈になると、ドキドキする動悸や息切れが感じられます。徐脈になると、フラッとしたり、めまいがしたり、意識が無くなり、卒倒したり失神したりします。期外収縮では、脈が飛んだり、胸部周辺に不快感を感じたり、痛くなったりします。

  • 頻脈のケース:脈拍数が増える事によってドキドキとする動悸や息切れが起こります。さらに激しくなるとめまい、冷や汗などを伴い、時に意識を失います。
  • 徐脈のケース:脈が遅くなると体を動かすのがつらくなり、動くと息切れを起こし、フラッとしたり、めまいがしたり、意識が無くなり、失神したりします。
  • 期外収縮のケース:多くの場合自覚症状はありませんが、胸になんとなく不快感を感じたり、胸痛を感じることがあります。

5.診断は?

心電図等を用いた検査から、診断をします。

安静時12誘導心電図検査

ベッド上で横になり手足と胸に電極を貼り付け、12箇所の心電図を記録します。

ホルター心電図(24時間心電図検査)

一時的に心電図検査をしても心臓の異常を正確に見つけられないことがあります。そのため患者さんの日常生活に合わせ、24時間連続の心電図を記録し、より詳しく心臓の状態を解析し異常を見つけます。

運動負荷心電図

通常の心電図では見られない不整脈でも、運動など負荷を掛ける事により異常を見つけ、診断できる事があります。それを検査室内で再現するために、ベルトの上を走る、自転車をこぐ、階段昇降等の運動負荷をかける等しながら心電図を記録します。

心エコー、胸部Ⅹ線検査

不整脈の原因を知るためには、心臓の検査も必要です。心臓弁や心臓筋肉の詳細な診断が必要になります。心エコーは、心臓に弁や心筋の病気の有無、心臓の収縮する力、弁の動き、筋肉の厚さや動き、心臓の部屋(心房、心室)の大きさ等が検査できるので、不整脈診断に必要な心臓自体の病気の有無が分かります。

6.予防・治療は?

抗不整脈薬などにより不整脈を抑えたり、脈拍をコントロールしたりする治療が一般的です。
その他ペースメーカーや植え込み型除細動器を導入する外科的治療もあります。

徐脈治療(ペースメーカー治療)

ペースメーカー治療が一般的に行われています。健康な人と変わらない生活が可能です。人口ペースメーカーと電線を植え込むことで、遅くなった自分の脈の代わりに電気刺激を与えることで、結果的に徐脈を解消させます。

頻脈治療

①投薬治療

頻脈治療の第一選択肢として広く行われています。不整脈タイプにより、抗不整脈薬や血液の固まりを溶かす薬等、色々な薬を組み合わせて使用します。

②高周波カテーテル・アブレーション

専用の細い管(カテーテル)を足の血管から心臓内に挿入し、そのカテーテルに高周波を流し、結果として異常な電気の発生を抑止させたり、異常な電気を通さなくなり、不整脈を起こさないようにします。

③ICD(植込み型除細動器)治療

頻脈の経験があり、他の治療が困難な時に、不整脈による心臓突然死の予防手段として使用されます。ICDは、心拍数が設定された基準を上回った時、発生した頻脈を停止させる装置です。

AED(自動体外式除細動器)

最近いろいろな施設で設置されています。心房細動で倒れた人に対して電気ショックをかけて蘇生する装置です。

診療案内