足の変色について
気が付いたら、「足の皮膚が変色していた」「黒ずんでいた」このようなことでお困りではないですか。足の皮膚の変色は、血行障害に伴うケースが多く、場合によって症状が進行していることもあります。また、下肢(脚部)の変色か足の指の変色によって、原因となる病気も異なります。こちらでは、足の変色の原因となる病気をご紹介いたします。
足が変色する原因
糖尿病足病変
糖尿病患者に生じる足のトラブルを総称して糖尿病足病変といいます。
糖尿病足病変には足指の間や爪の水虫、細菌感染、足や足指の変形やタコから、ひどいケースでは足の潰瘍や壊疽(足の組織が死んでしまう)まで含まれます。
糖尿病では血管が狭く細くなったり詰まったりして傷の治りが遅くなります。さらに、神経障害で足の感覚低下があると痛みを感じにくくなるので治療が遅れてしまい、潰瘍が重篤な状態にまで悪化してしまいます。
閉塞性動脈硬化症
足の血管に動脈硬化が起こり、血管が細くなったり詰まったりして十分な血流が維持できず、足にしびれや痛み、冷たさを感じる病気です。進行すると安静時にも痛みを感じ、休み休みでないと歩けない歩行障害(間欠性跛行)を起こします。重症化すると皮膚が紫色に変色し、足先に壊死が起こり、黒く変色します。
下肢静脈瘤
足の静脈の血流異常のために血管が膨らんでコブができ、ボコボコと大きく膨らんだコブが浮いて見えたり、青い網目状あるいは赤紫のクモの巣状に血管が透けて見えたりします。
血管が目立って皮膚の変色を起こすため、見栄えのいいものではありません。それだけでなく、だるい、しびれる、浮腫がある、痛みやかゆみを感じるといった症状が現れ、日常生活に支障をきたすこともあります。重症化した場合、黒く色素沈着したり潰瘍などが見られます。
足の指が変色する原因
チアノーゼ
チアノーゼとは血行障害や呼吸障害などによって血中の酸素が欠乏して皮膚や粘膜が青紫に見える状態です。酸素と結合していないヘモグロビンが増えると、爪や皮膚が青紫色に見えます。足のチアノーゼの多くは足の血管の血流障害が原因で、下肢への動脈の狭窄や閉塞、血の収縮、静脈系の閉塞などで生じます。足先や足指の爪、足の裏によくみられます。
バージャー病
手足の末梢血管がつまって手足や手足の指が低酸素状態に陥り、指に冷たさやしびれを感じ、蒼白化が起こります。やがて休み休みでないと歩けない歩行障害(間欠性跛行)になったり、つねに激しい痛みを感じるようになります。皮膚が欠損する潰瘍を起こして、壊死にいたることもあります。手足の静脈が炎症を起こして赤くなったり痛みを感じることもあります。
原因は不明の難病で、末梢血管の炎症ではないかと考えられています。喫煙が主な原因で歯周病が関係しているのではないかともいわれています。0〜40歳代の男性に多く発症します(男女比は9:1)。
レイノー病
冷気冷水などにさらされたときに手足の動脈が急速に収縮し、指が青白くまだら状に変色し、ついでチアノーゼを起こして青紫色に変色します。温めたりすると血流が元に戻り、赤味を帯びてきます。これをレイノー現象といい、原因不明でレイノー現象が起こるものをレイノー病といいます。
冬季にあらわれることが多いのですが、進行すると季節に関係なく起こり、血管の障害が長く続くと皮膚に潰瘍や壊死を生ずることもあります。冷たさ、しびれ、痛みを伴うこともあります。手指に起こることが多いようですが、足や、耳、鼻などに見られることもあります。
疾患(膠原病やバージャー病など)や薬剤の使用などに伴ってレイノー現象が起きる場合をレイノー症候群といいます。
足の変色でお困りの方へ
足の変色は様々な病気が原因のことが多く、血管が原因で起こることも少なくありません。変色しているだけで症状がない場合でも放置しておくと進行性に悪くなり、初期治療を誤ると潰瘍や壊疽など重症な状態になることもあります。足の色に変化がでてきたら一度皮膚科や血管外科の受診をお勧めします。