高血圧って何?
高血圧はありふれた病気で、基本的には自覚症状もありません。しかし「たかが血圧が高いだけ」と放置しておくと、サイレントキラー(沈黙の殺し屋)と言って命にかかわるような恐ろしい病気を引き起こします。高血圧が続くと血管はダメージを受け、その結果として、動脈硬化症、脳卒中、心筋梗塞、心不全、腎臓病など、様々な病気を引き起こす重大な危険因子となりうるのです。高血圧は、原因がはっきりと分かっていない「本態性高血圧(一次性高血圧)」と病気が原因の「二次性高血圧」に分けられます。
高血圧の原因
大きく分けて遺伝と生活習慣に分けられます。
遺伝
遺伝子が関係していると考えられている本態性高血圧(一次性高血圧)は、なにも体で異常が見つからない高血圧のことで、発症の原因は解明されていません。事象として、高血圧になった本人の血縁関係をたどると高血圧の方が多いことや、子供も高血圧になりやすいことが多いことから、遺伝が関係していると考えられています。ただ、一つ言えることは、遺伝的要素があってもなくても、発症には生活習慣が大きく関係してきます。
生活習慣
塩分の摂りすぎ、加齢による血管の老化、飲酒、喫煙、ストレス、過労、運動不足、肥満など、遺伝以外にも高血圧になってしまう危険な要因はたくさんあります。高血圧を予防するためにも、健康的な生活を送るようにしましょう。
以下のような生活習慣は高血圧の原因となりよくありません。
- ストレス:ストレスの多い生活はなるべく避けましょう。ストレスにうまく対応することが大切です。
- 肥満:カロリー制限をした減量は必要です。
- 塩分の過剰摂取:食塩は血圧を上げるだけでなく、心臓、血管にも悪影響を及ぼします。カリウム、カルシウム、マグネシウムといったミネラルは多く摂ることによって血圧は低下します。
- 運動不足:運動には降圧効果が期待できます。ウォーキングのような軽い運動です。
- 喫煙:動脈硬化をもたらします。吸うたびに血圧は上がりますので、禁煙は重要です。
- 睡眠不足
- 過労
高血圧の症状
自覚症状と言うものはありません。健康診断や他の病気の治療時に血圧を測定したら判明することが多いです。その中でも、頭痛や肩こりなどは高血圧の人に出やすい症状だとされています。また、合併症の症状でもある場合もあります。
高血圧の対策
生活習慣の改善です。長期にわたり行うことになりますが、しっかりと正しく継続していけば薬物療法まで必要としないことがあります。
食事
- 減塩:健康な人で1日10g以下、血圧高めな人で1日6g以下です。
- 赤ワイン酸化効果に期待:ポリフェノールは老化を防ぐ抗酸化物質です。
- イソフラボン、カテキン、セサミノールなども酸化防止作用があります。
運動
- 日常的に運動しましょう。運動は肥満の予防にもなります。
- ウォーキング:最適です
ストレス、睡眠不足の解消
- ストレス回避:過度なストレスは緊張、興奮状態となり、血圧が上がります。気分転換しながら回避しましょう。
- 睡眠不足にならない:睡眠が十分でないと、疲労が残り精神的にも緊張が高まり、怒りっぽくなったりします。血圧は当然上がります。
薬物療法
血圧を下げるための降圧剤は、文字通り血圧を下げるための薬であり、高血圧自体を治すものではありません。生活習慣を改善して、それに加えて降圧薬を服用し、血圧を適正に保つ、維持する、ということが必要な病気です。従って、血圧が下がったからと言って自分の判断で服用を中止したり、減らしたりしてはいけません。
薬には以下のような様々なタイプのものがあり、患者様の病態に合わせて組み合わせて使用したりします。
- カルシウム拮抗薬
- アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)
- ACE阻害薬
- 利尿薬
- β遮断薬
- α遮断薬