レーザー治療(下肢静脈瘤血管内焼灼術)
血管内にレーザーを照射して、その熱で静脈を塞ぐ治療法です。細い光ファイバーを挿入して行うので傷跡が目立たず美容的にも優れています。局所麻酔の日帰り手術として受けることができ、従来の手術に比べ身体にかかる負担が大幅に軽減しています。欧米では15年以上前から積極的に行われており、静脈瘤治療の主流になっています。日本では平成23(2011)年1月に保険適用になっていますが、これは厚生労働省が正式に認可したレーザー波長が980nmと1470nmのレーザー治療機器で行った場合のみ適用されます。当院では、認可を受けた1470nmの最新機種を導入し、経験豊富な血管外科専門医が適切な治療を行っています。
専門医が行うレーザー治療は、身体への負担はほとんどなく、治療を受けた直後から日常生活に復帰できます。また、このレーザー治療は根治度が高いことも大きな特徴であり、5年間の術後成績でストリッピング手術より優れた成績を残しているという海外の論文のデータもあります。
当院では、治療の根治度、安全性を最優先しています。さらに、満足度が高く、必要かつ十分な医療を行うことを重視しており、レーザー治療でも豊富な経験をもとに洗練された手法を完成させてまいりました。高機能なレーザー機器は、適切な術式や細かな手術操作があってはじめて高い効果を得ることが可能です。血管外科専門医による安全・安心で最新の治療を受けたい、手術の傷跡に十分配慮して治療してほしい、保険診療で安心なレーザー治療をリーズナブルに受けたい方は、是非、アキ循環器・血管外科クリニックにご相談ください。
高周波(ラジオ波)治療(下肢静脈瘤血管内焼灼術
高周波治療もレーザー治療と同様に血管内焼灼術に分類されます。2014年6月に保険適応となりました。ラジオ波ということもあります。
高周波治療も血管内に細いカテーテルを通し、高周波の熱を用いて静脈を閉塞させます。カテーテルの先端7cm部分(3㎝のカテーテルもあります)が加熱され、120℃の熱を発生させます。治療時間も短く、レーザー治療と同等の治療成果が得られます。
高周波の血管内焼灼術はレーザーと異なり血管とカテーテルを直接接触させて血管を焼灼します。比較的蛇行の少ない血管であれば安定して均一に焼灼することが出来ます。蛇行が強く血管径が太い静脈にはレーザーによる治療がいい場合があります。このように、当院では、患者様の血管の状態に合わせて、レーザー治療と高周波治療のどちらが最適かを判断し、治療を行っております。
血管内焼灼術に使用する医療機器
ELVeSレーザー1470
当クリニックでは、EVLA(Endovenous Laser Ablation、血管内レーザー焼灼)と呼ばれる方法で下肢静脈瘤を治療する最新の装置を導入しています。治療では、弁不全になった伏在静脈の血管内に細い光ファイバーを挿入しでレーザーを照射します。レーザーの熱により、血管を収縮・閉塞させて血流を遮断し、逆流を阻止します。
EVLAは、欧米では2001年頃から行われており、数多くの臨床研究があります。研究により、従来の外科手術に比べ侵襲性が低く、重篤な合併症もまれで、再発率も少ないことが報告されています。
当院で使用するガイドワイヤー、レーザーファイバーなどの体内に入る物はすべて使い捨てのものを使用しており、1回限りの使用ですから感染危険性もありません。もちろん、厚生労働省の認可を受けたレーザー治療機器ですから、保険適用の治療です。
Closure RFG ジェネレーター(高周波)
当院で導入している治療機器はコヴィディエンジャパンのClosure RFG ジェネレーター(RFG3)です。Closure fastカテーテルを用いて焼灼します。2014年に保険収載されました。こちらの機器の特徴としては、機器がエネルギーの出力を一定に保ってくれるため、静脈を均一に焼灼することが可能です。
また、レーザー治療同様に、カテーテルも使い捨てのものを使用しているため、感染の危険性もありません。欧米では、レーザーよりも高周波の治療が主流になっています。
血管内焼灼術のメリット
血管内焼灼術のメリット
下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術(しょうしゃくじゅつ)では従来のストリッピング手術と比べて、術中と術後の痛みがほとんどありません。また、術後の内出血もほとんどありません。血管内焼灼術では、穿刺法といって針を使ってカテーテルを静脈内に挿入します。
そのため手術後の傷は針の穴だけなのでわからなくなります。(静脈瘤の追加切除を行った場合もstab avulsion法という特別な方法を行うのでほとんど傷跡が残りません。)
局所麻酔下で治療が受けられるので、入院の必要もなく、手術翌日から普通に仕事ができます。自営業の方や忙しい主婦の方でも気軽に手術を受けることができます。
静脈麻酔
血管内焼灼術のメリット
下肢静脈瘤の血管内焼灼術は足に注射する局所麻酔のみで治療可能です。
アキ循環器・血管外科クリニックの手術の特徴は、血管内焼灼術の際に、局所麻酔だけでなく軽い全身麻酔である静脈麻酔を組み合わせて、よりストレスなく手術を行うことです。受ウトウトと寝ている間に手術が終了し、手術後の痛みはなく少し休憩した後、ご自分で歩いてお帰り頂けます。
下肢静脈瘤の血管内焼灼術は局所麻酔だけで行うことも可能ですが、その場合、局所麻酔の注入量が多くなる、麻酔注射の時の痛みがあるというデメリットがあります。
また、治療中に緊張して血圧が上がったり、脈が速くなったり、筋肉に力が入ってしまうなど、心身ともに大きくストレスがかかります。当クリニックでは静脈麻酔を追加して、ウトウトと寝ている間に手術を行うことで、局所麻酔だけの場合よりもさらに身体にやさしくストレスのない手術を行っております。現在は麻酔の技術が洗練されていますので、静脈麻酔による軽い全身麻酔を行っても身体への負担や危険性は大幅に軽減されています。もちろん局所麻酔だけの手術など患者様のご希望にあわせて様々な麻酔法を選択することが可能です。
治療費用
診察内容 | 3割負担 | 1割負担 |
---|---|---|
初診時(初診料+超音波検査) | 約2,500円 | 約900円 |
血管内焼灼術(片足) | 約30,000円 | 約10,000円 |
標準的な治療を行った場合のおおよその自己負担額となります。
当院での診療は基本的にすべて保険診療です。
※ 薬代や弾性ストッキングの料金は含まれていません。
なお、自己負担率や保険の種類により窓口での支払額は異なりますので、詳細はクリニックまでお問い合わせください。