アキ循環器・血管外科クリニックの下肢静脈瘤の治療
アキ循環器・血管外科クリニックでは、下肢静脈瘤の標準的根治的手術であるストリッピング手術はもちろんのこと、最新のレーザー治療も提供しています。手術は日帰りで行っております。下肢静脈瘤に対するレーザー治療・高周波治療等の血管内焼灼術を経験豊富な血管外科専門医が行っておりますので、その術後成績、経過はとても良好です。さらに最新の機器を用いた当院の下肢静脈瘤の血管内焼灼術をは、治療を受けた方々からも非常に高い評価を受けております。 下肢静脈瘤の治療にはいくつかの治療法があり、患者様の病状や病気の段階、ご望により適切な治療法を選択してゆきます。
治療には大きく分けて1.圧迫療法、2.硬化療法、3.ストリッピング手術、4.下肢静脈瘤血管内焼灼、5.下肢静脈瘤血管内塞栓術があります。
1.圧迫療法
下肢静脈瘤の最も基本となる大切な治療法です。医療用弾性ストッキングを履くことで、余計な血液が静脈瘤にたまることを防ぎ、深部静脈への流れを促します。血液を下から上へ、表在から深部へと導き下肢本来の流れに戻す治療法です。むくみがとれ、静脈瘤は小さくなり、下肢は軽くなります。ただしストッキングを履いている時にだけ効果があって、脱いで立ち上がってしまうと静脈瘤は膨らんでしまうため、起きている間はずっと着用していないと効果はありません。(なお、就寝時には履かないようにします。)
圧迫療法は根本的な治療ではありません、あくまでも悪化をおくらせたり症状を軽くする保存的治療ですので静脈瘤が消失するわけではありません。弾性ストッキングは数ヶ月で圧力がゆるんで適切な着圧を保てなくなります。一般的に半年間に数足購入する必要があります。着用によってかぶれや湿疹など皮膚トラブルが起こる可能性があり、その際には使用を中止してご相談ください。
メリット
- 低価格
- 履くだけなので手軽
デメリット
- 保険適用ではない
- 効果は履いている間しか得られない
- 蒸し暑く、夏などにかぶれが起きやすい
2.硬化療法
注射による治療法で、初期の静脈瘤や細い静脈瘤(網目状静脈瘤やクモの巣状静脈瘤)の治療に適しています。また、ストリッピング手術やレーザー治療の補助的な治療として行われることもあります。
硬化剤(ポリドカスクレロール)という薬剤を静脈瘤内に注入することで静脈の内膜に炎症を起こさせた上で、皮膚の上から圧迫して血管の内側を接着させて患部の静脈を閉塞させます。完全に閉塞した静脈は徐々に小さくなって最後には組織に吸収されて消失します。血液が正常な静脈を流れるようになるので症状が改善します。入院の必要はなく、治療自体は10~15分程度です。麻酔の必要もあいませんし、切開を行うこともないので傷も残りません。ただし、硬化療法だけで静脈瘤を治療できるわけではありません。場合によっては、しこり(血栓形成)や静脈炎、色素沈着(治療した部分に色が付く)などの合併症が起こる可能性があります。
メリット
- 外来で治療が受けられる
- 保険適用である
- 無麻酔で、傷跡がほとんど残らない
- 治療を受けたその日から歩くことが可能
デメリット
- 注入した部分に色素沈着する可能性がある
- しこりが残る可能性がある
- 注射の痛みがある
- 20~30%に再発が認められる
3.ストリッピング手術
下肢静脈瘤の根本的な治療法として、現在の日本で最も標準的に行われている手術です。弁不全を起こしている静脈を特殊な器具(ストリッパーワイヤー)で抜去する(引き抜く)手術で、再発が極めて少ない完成された確実な治療法です。静脈を抜いても静脈瘤内に溜まった血液は正常な深部静脈へ流れるため下肢の血液の流れは本来の流れに戻りますので、まったく心配はありません。1900年代初頭から行われてきた治療法ですから、これまで数多くの実績を積み上げてきており、安全性の高さも大きな特徴となっています。ただし、血管を引き抜く際に細かい神経が傷付いて10%程度の頻度で術後にしびれが起こる可能性があります。
皮膚の切開は、足の付け根や膝裏などに行い、2㎝程度です。当院ではできるだけ小さい切開を心がけ、時間がたてば目立たなくなるようにしています。
メリット
- 極めて低い再発率
- 治療成績が安定している
- 安全性と信頼度が高い
- 保険適用されるため、費用が安い
デメリット
- 傷跡が残る
- 手術後の痛みがある
- 10%程度で知覚神経が傷付き、しびれが残る可能性がある
4.血管内焼灼術
血管内焼灼術は、静脈瘤ができてしまった血管内にカテーテルという細い管を通し、レーザーや高周波を利用して血管内側から焼灼する根治療法です。従来のストリッピング手術に比べて、痛みや術後の出血も少なく、切開の必要もありませんので、低侵襲な治療方法です。現在、下肢静脈瘤の治療法はこの血管内焼灼術が主流になってきています。国内では、2011年にレーザー治療が、2014年に高周波治療は保険認可されました。
当院では6000例以上の治療実績を持つ院長が日帰り手術を行っております。
5.下肢静脈瘤血管内塞栓術
血管内塞栓術とは、静脈内に医療用の接着剤を注入し、血管を閉塞させる治療法で、 レーザー治療に比べると痛みが少なくいため、手術中の麻酔も少量ですみます。 また神経損傷などの合併症リスクがないこともメリットとして挙げられます。 さらに血栓症になるリスクが低いため、術後に弾性ストッキングの着用が必要ありませんので、ほとんど制限なしで日常生活への復帰が可能です。 しかし接着剤に対してアレルギー反応を起こしてしまう方、血管の蛇行が強い方や複雑なタイプの下肢静脈瘤には向いていません。 これらのメリット・デメリットを踏まえた上で、医師が患者様にあった治療を提供いたします。
メリット
- 術後、日常生活での制限がない(入浴など)
- 局所麻酔で治療ができる
- 深部静脈血栓症、血管や神経の合併症を起こしにくい
- 弾性ストッキングの着用なし
デメリット
- アレルギー体質の方はお勧めできない
- 症状が重い、複雑なタイプの下肢静脈瘤には向いていない
- 術後、治療箇所に異物感がでる可能性がある
治療費用
診察内容 | 3割負担の場合 | 1割負担の場合 |
---|---|---|
初診時 (初診料+超音波検査) |
約2,500円 | 約900円 |
硬化療法 | 約5,000円 | 約2,000円 |
血管内焼灼術(片足) | 約30,000円 | 約10,000円 |
血管内塞栓術(片足) | 約45,000円 | 約15,000円 |
- 標準的な治療を行った場合のおおよその自己負担額となります。
- 当院での診療は基本的にすべて保険診療です。
- ※薬代や弾性ストッキングの料金は含まれていません。
- ※上記の費用は手術のみの費用です。
- ※短期滞在手術加算がかかります。
- なお、自己負担率や保険の種類により窓口での支払額は異なりますので、詳細はクリニックまでお問い合わせください。